TG-320LR
規格 : AWS A5.9 ER320LR
オーステナイト・クロム・ニッケル・ステンレスは 430~870℃の温度域に長くさらされると鋭敏化されて耐食性が低下し、脆くなる性質があります。
これは、主としてクロム炭化物( Cr23C6等)が結晶粒界に析出するためと、 それによって結晶粒界近傍にクロム量の低下域ができることによるとされております。
これを防ぐためには、溶接に際して熱入量と母材のパス間温度を低く抑え、C量の低い溶接棒を選ぶ必要があります。
TG-320LRは、析出硬化しますので、特に熱入量を低く( 8,000J/cm以下 )管理し、ウィービングせずにストリンガービードで溶接してください。
また、母材のパス間温度は 100℃以下に維持してください。
化学成分 [%]
C | 0.025以下 |
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Cr | 19.0-21.0 |
Ni | 32.0-36.0 |
Mo | 2.0-3.0 |
Nb+Ta | 8 x C-0.40 |
Mn | 1.5-2.0 |
Si | 0.15以下 |
P | 0.015以下 |
S | 0.020以下 |
Cu | 3.0-4.0 |
機械的性質 (As Welded)
耐力 | - |
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引張強さ | 520 N/mm2以上 |
伸び | 30 %以上 |
製造寸法
Category\Size (mmΦ) | 1.2 | 1.6 | 2.0 | 2.4 | 3.2 | 4.0 |
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TIG (1000mmL) | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
MIG (12.5kg巻) | × | × | × | × | × | × |